2006年11月07日

Impression of ふさおとめ

■コシヒカリを超えた米

テスト品種
千葉県 ふさおとめ(18年産) / 精米日:06.11.02 / 全農パールライス東日本 / 5kg
炊飯条件
炊飯器:ECJ-EJ10 / 使用モード:白米→ふつう / 浸水時間:60分 / 蒸らし:15分



昨年12月にちば28号が「ふさこがね」という愛称に決まり、
千葉県の奨励品種に選定され、今年華々しく市場に登場した。
今回は原点回帰し、今回はふさこがねの父に当たる品種
「ふさおとめ」の印象を報告する。




■早いだけの米とは言わせない!
コシヒカリ・ひとめぼれを始めとする、国内作付け面積の上位5品種は
早晩性はほぼ中性に属する。(wikipediaによる)
資料によっては早生の早と記載されているひとめぼれの出穂期は8月である。
しかし、ふさおとめはその上を行く7月上〜中旬で、8月出荷が可能である。
早場米といわれる、秋の天候不順を避けつつ他の米に先駆けて出荷しよう
という二兎追う米である。お米界のニッチの旗手といったところか。
日本穀物検定協会の食味ランキングでは16,17年度はAという評価を得ており
ただの早場米でないことは、容易に想像することが出来る。


■ふっくらとした仕上がり
0611071.jpg
研ぎあがりの状態。色艶は非常によい様に思う。
また、乳白米などの不完全米の混入も少ないように思われる。
0611072.jpg
炊き上がり直後である。今回はおよそ4.5合炊いたので
写真から、水の体積含め炊いて約1.3倍に膨らんだことがわかる。
0611073.jpg
白い器に白い米、少し見にくいが「ふさおとめ」の由来にもなっている
"炊き上がりが白く、ふっくらとしてつやがある"その通りであった。


■特徴的な食感?
比較対象が、今まで食べていたあきたこまち(17年産)となってしまうため
それが米の特徴なのか、新米の特徴なのかを理解することが
できていないということを先に申し上げておく。

まず、もちもち感であるがこれは互角であった。
古米のあきたこまちが新米と互角というのも凄いが、ふさおとめの食感が
あきたこまちとはまったく違うものになっているため、単純に比較できない。
なので、あえていうと"互角"ということになるのである。
蒸らし時間15分のふさおとめは、表面に膜があるイメージだ。
中に芯があるわけではなく、表面が硬いのである。硬いといっても
本当に膜の様で・・・そう、喩えるならイクラの様な感じなのかもしれない。
この食感は、もちもちという面からみると間違いなくマイナスである。
しかし、食べ物の美味しさ。それには、歯応えというものも当然存在する。
表面のしっかりとした食感が、中の柔らかさが、均一的な食感でない。
嫌味や食べ辛さに繋がらない程度のそれが、大変良いのである。

粘り気は、圧倒的にふさおとめの勝ちであった。
古くなったあきたこまちでは、相手にもならなかった。
粘り気が、甘みをより強調しているようにも思える。
もち米のような甘さ、それでいてもち米よりさっぱりしている。
風味に関しては、炊飯器を空けた瞬間に甘い華やかな香りが広がる。
古米は香りも弱く地味である。保存状態もあるが仕方が無い。
噛んだ時の甘みは互角かもしれない。味の良さという広い表現なら
間違いなくふさおとめであるのだが・・・


■新たなベンチマークとの戦い
その後、数時間毎に食べて味を確認してみた。冷めても美味しいか?である。
その結果のうち、重要と思われる部分を記載する。
米は特別な保存方法をとらず、炊飯器の中で放置(保温切)である。
食べる際に、再加熱などは一切していない。

1時間後:蒸されたということか、表面の硬さが無くなる。
3時間後:柔らかさは、ほぼそのままに粘り気が増す。
6時間後:明らかに硬化している。さっきよりも粘り強い。もちもち。
8時間後:硬くなった、黄変せず。香りの変化有。粘り気は一気に弱く。

8時間目で、衛生的にも不安になってきたのでテストは中止した。
その際、レンジで再加熱して残りを食べたのだが、柔らかさは
3時間後程度まで戻るのだが、粘り気はそれよりも弱くなる。

比較対象として、サトウのご飯(新潟産コシヒカリ)に登場してもらった。
0611075.jpg
それで判ったことは、パックご飯は"炊きたて"に近い状態である。
当たり前かもしれないが、適当に冷まし再加熱したお米とパックご飯では
状態が明らかに違った。炊きたて 対 冷め→強制加熱という面白い構図だ。

瑞々しさでは、パックご飯に軍配が上がる。もちもちとした食感は
秀逸であり、パックご飯といえどもコシヒカリはコシヒカリである。
しかし、粘り気という面では負けてはいないとも感じた。
再加熱する前の状況なら、粘り気は負けていなかっただろう。
再加熱により、水分が飛びパサつく・・・まではいかないが、水分と共に
粘り気も損なわれた。再加熱の工夫によって防げるかもしれない。
風味は、若干ふさおとめの方が優勢か。パックご飯独特の匂いがあり
その部分で、評価を落としている。香りはやはり重要な要素である。

人間の食欲や、美味しさを感じるもうひとつの重要な要素、見た目。
見た目は、パックご飯のほうが上であった。潤い・つやがある。
ふさおとめの方は、艶々して見せるほどの水分を残してはいなかった。

パックご飯と8時間後のふさおとめの対決は、長短あるものの
総合的に見て、パックご飯のほうが美味しいといえるであろう。
ただ、保存方法や再加熱の方法を工夫することで逆転する程度の差である。
小食の人には、パックご飯というのは便利な存在であるだろうし
たった2分で炊きたてのお米が出来るのだから、その優位は
揺るがないだろうし、本来なら比較とするべきでないのかもしれない。


■総括
炊き立ては炊き立てで美味しく、冷めてなお美味しい。
特産米ではあるが、自信を持って薦められる米である。
例えば、一口にコシヒカリといっても北は宮城県、南は鹿児島で
産地ごとに品質も大きく異なってしまう。
つまり、新潟産コシヒカリや茨城のコシヒカリには敵わないかもしれない。
だが、コシヒカリというだけの米には負けないと自信を持って言える。
(食味ランキングでもBランクコシヒカリは3地域存在する)
道産米や地方産のコシヒカリ・あきたこまちと比べると若干高いが
コストパフォーマンスは悪くないお米で、千葉県下なら入手性も良い。
○○産の○○でなければ嫌!という人以外は一度試して頂きたい。
後悔はきっとしないと思う。お米にこだわりを持っていない人に是非。
噛めば噛むほど味がする、美味しいお米です。



関連リンク
ふさおとめ・試験研究情報(千葉県)
ふさおとめ品種情報(千葉県農業試験場)
千葉6号(イネ品種データベース)
ハ行・ふさおとめ(米の食味ランキング)
ふさおとめ(wikipedia)
posted by るび at 22:22| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
('仄')パイパイ
Posted by at 2011年06月10日 15:31
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